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北海道の地域的特色と風土背景

1. イントロダクション・北海道

北海道は、日本を構成している主要4島の一つであり、47都道府県の最北に位置しています。

北海道本島だけで面積77,984.15平方キロメートルもある広大な土地には、雄大な自然が手つかずのまま残されており、気候は冷涼、低湿度で四季がはっきりしており、長雨や台風などの影響をほぼ受けません。

産業は広い土地を活かした農業、日本海・太平洋・オホーツク海など四方を海に囲まれた豊富な漁場を持つ水産業が盛んで、日本最大の食料基地です。また、生産された食品の加工製造、製紙、鉄鋼、造船業などが主要な工業となっています。

歴史的には古いもので約10,000年前の縄文時代の遺跡が残り、中世以降は「蝦夷地」と呼ばれて、先住民族として「アイヌ」の人々が自然の恵みを糧とした独自の文化を持ちながら暮らしていました。

その後1869年に日本の明治維新・開国に合わせて「北海道」と命名され、西洋の技術を導入した開発が進められて現在に至る、日本で最も新しい開拓地です。

総人口は約550万人(2010年国勢調査速報)で全国8位ですが、人口密度は70人/平方キロメートルと全国平均の約5分の1で全国最低となっています。

179の市町村(35市129町15村)、74の郡があり、14の支庁に分けられており、中央部には政治・経済の中心地である札幌市が位置しています。

また、北海道は世界から観光地として注目を集め続けており、特に抜群のロケーションを活かした映画のロケ地としての実績や、世界最高水準の雪質を誇る道央・ニセコ地域には、アジア・オセアニアなどから身近で魅力的な観光地として毎年60万人以上が訪れています(2010年北海道経済部観光局『北海道観光入込客数調査』)。

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2. 政令指定都市・札幌

日本最北の政令指定都市として、日本全国で4番目の人口を有する札幌市は、江戸時代には本州と先住民族との交易が行われる物資集積地でした。

その後、明治時代に碁盤目状の計画都市として本格的に開発が進み、1972年の冬季オリンピック開催決定後は地下鉄道も開業。同年に夏季オリンピックを開催したドイツ・ミュンヘン市や、同緯度に位置するアメリカ合衆国・オレゴン州ポートランド市、中華人民共和国・遼寧省瀋陽市などと姉妹都市提携を締結するなど、観光都市としても世界的に知られるようになりました。

2010年現在、香港とほぼ同規模の面積に約191万人、近郊都市を含めた経済圏は約340万人となっており、経済規模は市内総生産額6兆4983億円(平成19年度内閣府調査「県民経済計算」)。北海道各地の観光拠点として第3次産業が発達しているほか、「さっぽろ雪まつり」、「YOSAKOIソーランまつり」など、市内で行われる大規模なイベントには、毎年国内外から多くの観光客が詰め掛けます。

また、日本版シリコンバレーの一つとして知られる「サッポロバレー」というIT企業集積地区があり、その勃興から現在に至るまで、重層的に構築された企業・人的ネットワークを活かし、事業創出に貢献しています。

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3. 日本国内のIT企業が集積する“サッポロバレー”

「サッポロバレー」は、1976年に北海道の基幹大学である北海道大学工学部教授・青木由直氏が主催した「北海道マイクロコンピュータ研究会」に端を発するものです。

以来、青木氏の教え子や当時の若手企業経営者、技術者などによるコミュニティを礎に、1980年代のパーソナルコンピュータ革命を契機として様々な人材が起業、成長を遂げ、また行政側も都市型先端事業の振興を名目にインフラ整備で後押ししました。

1990年代には北海道大学と、地上鉄道の基幹駅である「JR札幌駅」に近い北口付近に「北口ソフト回廊」と呼ばれるIT企業集積地が自然発生的に誕生、郊外に行政の整備事業で誕生したIT企業の工業団地「札幌テクノパーク」が完成、2000年には総売上高2,000億円を突破。一時は4,000億円を超えたものの、リーマンショックの影響などによる経済不況を受け、2011年現在では3,800億円余りで推移しています。

今世紀に入った2001年からは「e-シルクロード」構想として、札幌に始まりソウル、テジョン(韓国)、瀋陽、香港、シンセン、上海、新竹(台湾)、シンガポール、バンガロール(インド)など、IT産業の振興著しい地域を相互に人材・技術・資本の面で結び、連携を進める取り組みを行っています。

また、上記の北海道大学をはじめ、北海道にはIT系・工学系の高等教育機関が多く、優れたITエンジニアが輩出されており、東京など日本の本州地域に比べて人件費、地価なども安いので、IT企業やデータセンター事業者にとって進出しやすい環境が整えられてきました。

その中で、2007年には札幌に本社を置くクリプトン・フューチャー・メディア株式会社の開発した音楽ソフトウェア「初音ミク」など、世界的なインパクトのソフトウェアやキャラクターが登場するなど、IT産業を取り巻く環境が激変する中でも様々な特色を持った企業が、今後も登場する土壌が形成されています。

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